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Google Earthで時空断裂的に東海道五十三次を旅してみました

みなさん東海道五十三次はご存知ですか?

 

有名なのでなんとなくは知っているという方が多いと思いますが、ウィキペディアの説明も引用しておきます。

東海道五十三次(とうかいどうごじゅうさんつぎ)は、江戸時代に整備された五街道の一つ、東海道にある53の宿場を指す。古来、道中には風光明媚な場所や有名な名所旧跡が多く、浮世絵や和歌・俳句の題材にもしばしば取り上げられた。なお五十三次と称す場合は京都までの場合であり、さらに大坂までを加えて東海道五十七次とする説 [注釈 1][注釈 2]もある。また、奈良時代律令制による東海道では、延喜式によると、伊勢の鈴鹿駅から常陸の雄薩(おさか)駅まで55駅が設置されている。日本橋が起点。

出典:「東海道五十三次」(2020年12月1日 (火) 08:51 UTCの版)『ウィキペディア日本語版

 

私は東海道五十三次が好きです。大きな理由はありませんが、単純に旅が好きで歴史のある旅路だから……という感じでしょうか。長めの休みが取れたらじっくり宿場を巡ってみたいなあと思っていたのですが、昨今の情勢もありなかなか遠出することが難しい世の中です。

そこで、Google Earthを使用して東海道五十三次の起点である江戸(日本橋から終点の京都(三条大橋まで、53の宿場を巡りながら時空断裂的に旅をする映像を制作してみました。約490kmの旅路が自宅でスマホやPCの画面を眺めるだけで済んでしまいます。

 

時空断裂的ってなんだ?という方もいると思いますが、ここではスリットスキャンという手法を指しています(後ほど解説)。制作には主にGoogle Earth ProTouchDesignerというツールを使いました。本記事ではそのざっくり制作過程とバーチャル地球儀とスリットスキャンという組み合わせならではのオモシロ地形をご紹介していきます。

 

Google Earth Pro - 宿場間の移動を動画ファイルとして出力

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ベースとなる3Dの航空写真を動かしたような映像にはGoogle Earth Proを使用します。こちらにはツアーという機能があり地図上の移動操作を記録することができます(仮想カメラの細かい設定もあるようでしたが今回は使いませんでした)。

東海道五十三次の座標情報についてはウィキペディアを参照しひたすらGoogle Earth上で検索、場所リストに追加していきます(ここで一晩ぐらい時間を使いました)。そうして記録したツアーを動画ファイルとして書き出します。宿場によってその間の距離が近かったり遠かったりと全然揃っていないのが面白かったです。宿場の提供する人馬は都度入れ替える必要があったらしく昔の旅人は面倒くさかったのだろうな〜と思います。

「東海道53次」の「次」には、どういう意味があるのですか?

 

ちなみに今回Google Earthを使うにあたって利用規約も色々と確認しました。ピンとくる感じでは書かれていないのですが「Google Earth」ロゴを消したりするのはダメっぽいです。その辺の条件はGoogleマップストリートビューと微妙に異なる雰囲気。

Permissions – Google

Google マップ/Earth 追加利用規約 – Google

 

TouchDesigner - スリットスキャンによるエフェクト

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映像に時空断裂的(スリットスキャン)なエフェクトをかけるのにはTouchDesignerを使用します。スリットスキャンとは主に映像制作界隈で使われている手法で、映画「2001年宇宙の旅」でも使われたことで有名です。私自身そこまで詳しくないのでざっくり説明すると、本作品での使い方としては「映像のフレーム更新間隔を一律ではなく画像の表示位置によって変えている」といった感じでしょうか。

この手法についての解説は橋本麦さんの記事が面白かったです(記事内で言及されているようにタイム・ディスプレイスメントと書いた方が良かったかもしれません)。また、TouchDesignerでのスリットスキャンのやり方については以下のチュートリアルも参考にさせていただきました。

スリットスキャンの応用 | 麦 Baku

Slit Scan - Touchdesigner tutorial

 

上記スリットスキャンの応用で以下のような映像も作れます。今回制作した映像は背景が固定されていないのでちょっと分かりにくいのですが、動画や楽曲の進行に合わせてエフェクトのかけ方も微妙に変わるようにしました。なぜスリットスキャンを使ったのかと言われると特に意味はないのですが、普通にGoogle Earthの映像を出すよりはこのエフェクトを地形に適用することで絵的に面白くなるのではないかという期待です。高速地殻変動とでも言いますか、地図がグニャグニャ動く感じを表現してみました(フレーム補完などもう少し凝ったらよかったな……)。

 

時空断裂的なオモシロ地形を紹介

せっかく解説記事という体裁を取っているので、映像から抜粋したオモシロ地形をいくつかご紹介します(GenerativeArtから派生してGenerativeMapと勝手に呼んでいます)。※ちなみに53の宿場には起点&終点である日本橋三条大橋は含まれません!

 

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こちらは10番目の宿場である「箱根宿(神奈川県足柄下郡」です。陸からたくさん生えている棒みたいなものは箱根町港の桟橋っぽい。ストリートビューで覗いてみると本記事執筆時点ではカップルらしきお二人が曇り空のもとベンチに腰掛けていました(こんなの書いて良いのかな)。

 

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こちらは16番目の宿場である「由比宿(静岡県静岡市清水区」と17番目の「興津宿(静岡県静岡市清水区」の間にある新興津埠頭辺りですかね。倉庫がたくさん並んでいるように見えますがスリットスキャンにより分裂したようです、コンテナはカラフルで良いですね。

本ブログでは何度も紹介しているみんな大好きガントリークレーンですが、清水港のクレーンは赤&白でなく青&白カラーで爽やかな印象です(行ってみたい)。

 

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こちらは29番目の宿場である「浜松宿(静岡県浜松市中区」から少し浜名湖よりの地点です。浜松宿は距離的に江戸と京都のちょうど中間地点だそうです。スリットスキャンのせいなのか干潟である「いかり瀬」が伸びてアレに見えました。あとGoogle Mapのクチコミには、干潟とは特に関係のないチクビを片方隠している人の変顔写真が載せてありました。

 

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こちらは41番目の宿場である「宮宿(愛知県名古屋市熱田区」と42個目の「桑名宿(三重県桑名市」の間辺りですかね(断裂されまくっており位置の特定が難しい!)。この辺りから帯状になるようにエフェクトのかけかたも調整しております。そのためか揖斐川が分裂しまくって引っ掻き傷のような細い川が大量発生したようです。地形に現れている模様も何だかアートっぽくは見えませんか?

 

さいごに

今回の映像楽曲にはRinさん(クロネコラウンジ)の「Toukaidou set 01 ~ ヒロシゲ36号」を使わせていただきました。昔から旅するときには毎回聴いている大好きな楽曲で、今回の作品テーマ的にはこれしかないと思いました。もちろん、原作の東方Projectは最高です。

卯酉東海道とは (ボウユウトウカイドウとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 

また、本記事では映像フレームの更新間隔という意味で時空断裂的と書きましたが、もっとリアルな意味での時空断裂(一般相対性理論というかタイムマシンというか……)を扱った作品にも取り組めたらなあと思います。

 

というか普通に旅行したい