今回はダンスシーン(主にブレイク)で揉め事の原因にもなりやすいバイトについて考えてみます。結論から先に書いておくと自分の気持ち次第だと思います。
※あくまで私個人の意見です。
そもそもバイトとは
いわゆるパクリのことです。すでに誰かがやっている動き(スタイル)を別の人がやると、「あいつバイトや!」と言ってBBOYはディスったりします(両腕を曲げ上下にパクパクさせるジェスチャーでバイト"噛む"をイメージ)。
写真は「Lords of the Floor 2」というダンスイベントにおける
どこまでがバイトなのか
ここで論点になりやすいのが、どこまでがバイトでどこからがバイトではないのか。
6歩みたいなザ・ベーシック的な動きはやってもディスられることはないですが、明らかに特定の人しかやっていないような動きをやるとディスられます。ただその特定の動きがある程度の市民権?を得てやってる人が増えてくるとバイトと言われなくなったりもします(そんな気がします)。
パワームーブがけっこう分かりやすいかもしれません。ワンハンドエルボーエアーは最初にやったのがHAVIKOROという有名なクルーのBBOY "BOY"と言われたりしますが(世界中にBBOYはいるので本当の意味で最初に誰がやったのかは分かりませんが)、今ではパワー上手い人はみんなバトルでもやってたりします。
あと、その動きを生み出した人が自分のワークショップで普通にそれをレクチャーしてたりもします。
ある動きが市民権?を得るまでの過程も不明だし、どこまで定着したらバイトと言われなくなるのかも不明ですが、個人的には各々のマインドの問題かなと思っています。
バイトかどうかは自分で判断する
バトルに出ると何でもかんでもバイトだとディスってくる人もいますが(この記事ではそういう人に対して特に否定をするつもりはありません)、そこで大事なのは相手の反応ではなく、自分がその動きをオリジナル!って自信を持って言えるかどうかだと私は思っています。
他のものからインスピレーションを受けて考えたとか、なんとなく練習中に動いていたら自然に生まれたとか、きっかけは何でも構わないのですが「これは自分が生み出した!」って自信を持って言えるのであれば自信を持ってそのネタをやればいいんじゃないでしょうか。
逆に「これは〇〇のバイトかも……」って少しでもモヤモヤが残るならそれはバイトなのかもしれません。ここで大事なのは、他の人に「それ〇〇っぽいな!」と言われたからバイトかもって思うのではなく、自分自身がどう思っているかという点です。
後になって別の人とネタが被ってた!と気付く場合もあるんですが、そこはより質を高めていくか自分なりのアレンジを加えていくのが良いのではないでしょうか(もしくはその人をコールアウトしちゃうとか……そんなにオススメはしないけど)。
HIPHOPはサンプリングを主体としたカルチャーなので、他から得たインスピレーションを自分なりに昇華させるのが大切です。他の分野でも言えることですが、本当の意味での"0"から生み出すっていうのはそうそうありません。
あと、動き自体は同じだけどやってる人のフローや見せ方が個性的過ぎてその人のオリジナルに見えるってのも、それはそれでありかもしれません(というかこれもその人の気持ち次第)。
さいごに
昔は自分もちょくちょくバイトジェスチャーをしたりもしたけど、最近はあんまりしなくなったなあ……
良い意味でも悪い意味でも落ち着いてきた感があります笑
話はちょっとそれますが、自分はダンサー兼エンジニアとしてダンスAIの研究開発にも取り組んでいます!このダンスAIはいわゆる"オリジナル"をもっと追求していくプロジェクトでもあるので、気になる方はぜひチェックしてみてください!